Welcome to Magical Kingdom


こどものころのわたしの世界は
天使やユニコーンや妖精などの
見えないおともだちで彩られていました

行こうと思えばいつでも行けて
淡いパステルカラーで彩られた
ふわふわで優しいその世界が大好きだったな
そしてそれは誰にも内緒の
秘密の魔法の国でした


その優しい夢の世界の住人に
これからもずっといっしょにあそんでくれる?と
尋ねたら

きみがこの世界を忘れなかったらね、と
言われました

もしもきみが大人になって
この世界のことを忘れてしまっても
思い出したら
きっとまた会えるよ、とも


わたしはこの大好きな世界を
忘れまい忘れまいとしていたのに
大きくなるにつれて忘れてしまった

いえ
忘れてしまったのではなくて
もう子供じゃないんだから
いつまでも夢ばっかり見てちゃだめだ、と
大好きだった夢の世界に
自ら背を向けてしまったのでした


ガチャンと音を立てて閉められた銀色の扉の向こう
夢の世界の住人たちが
悲しそうな顔でこちらを見ていたことに
もちろん気付いていたけれど
そうすることが
大人になるためには
避けては通れない道であり
仕方のないことなのだと
閉めた扉を振り返ることもしなかった


これらのすべてを
わたしはようやく、思い出しました


これからわたしは
あの銀色に輝く扉を開けて
かつてのわたしが愛していた夢の国へと足を運び
見えないおともだちと再会したら
抱き合って
喜んで
涙して
再びこの国の住人となることを
2度と背を向けないことを
金色の蜘蛛が金糸で編んだ誓約書にサインをし
モーブピンクに煌く空へと放り投げ
誓約書を輝く花火へと変え
祝福と共に再び約束を交わすのです


そこから生まれるものがたりは
夢物語ではなく
おとぎばなしでもない
確かに「ここにある」世界のものがたり


さあおいでませ夢の世界
まだ誰も見たことがない魔法の国へ
これはこの王国の主人たるわたしからの招待状
どうぞ受け取り
隅から隅まで
たんとご覧くださいませ


銀色の扉の向こう
かつてのあなたもきっと夢見たあの国で
あなたにお会い出来る日を
楽しみにお待ちしております

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The real voyage of discovery consists not in seeking new landscapes,but in having new eyes. --- Marcel Proust

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